このページの要点
- 特典・対価と引換えの投稿や、内容の決定に事業者が関与した投稿は、事業者の表示として扱われうる。広告と分かる文言を、見やすい位置に表示する。
- ステマは景品表示法5条3号に基づく令和5年内閣府告示第19号(2023年10月1日施行)が根拠。措置命令(7条)の対象で、課徴金(8条)の対象外。命令違反には46条の罰則がある。
- 高評価を条件にする、例文を用意する、否定的な感想を削除させる設計は避ける。投稿の内容の事実性は事業者の責任で確認する。
- モニター価格と投稿協力の交換、委託先任せの投稿は、媒体・回数・表示・投稿前の確認・記録・返還の手続を契約で決めておく。
結論:特典と引換えに投稿を頼んだら、その投稿は事業者の表示。広告と分かる表示と、管理の記録が要る
商品を無料で提供して感想を書いてもらう、購入者に口コミを投稿してもらったらポイントや割引を付ける、モニター価格で販売する代わりにSNSで紹介してもらう、インフルエンサーに投稿を依頼する。こうした企画は、実際の利用者の声を借りた販促として広く行われています。ここで押さえておきたいのは、事業者が特典や対価を出して、投稿をお願いしたり、投稿の内容に関わったりしたなら、その投稿は、見る人にとっては第三者の自然な感想に見えても、法律上は事業者自身の表示として扱われうる、という点です。
この整理の根拠が、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)規制です。不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)5条3号は、商品または役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するものを禁止しています。この指定に当たる告示が、令和5年内閣府告示第19号(2023年10月1日施行)で、事業者の表示であるにもかかわらず、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示が定められています。広告であるのに広告と分からない、という状態が規制の対象です。
- 特典(無料提供、割引、ポイント、謝礼、抽選の応募権など)と引換えに投稿を依頼した場合や、投稿の内容の決定に事業者が関与した場合、その投稿は事業者の表示として扱われうる。
- 事業者の表示であるときは、一般消費者が広告だと分かるように、「広告」「PR」「プロモーション」「提供」などの表示を、見やすい位置と大きさで明示する。
- 好意的な内容に限って特典を出す、星の数や内容を指定する、否定的な感想を削除させるといった設計は、投稿が自然な感想に見えるだけに、問題が大きい。
- 投稿を代行会社やインフルエンサーに任せても、責任は事業者に及ぶ。投稿前の確認、表示の指示、記録の保管を、契約と運用で決めておく。
このページは、キャンペーンの運営者が、投稿を募る側として設計するときの視点で整理しています。SNSの運用を請け負う側の契約は別のガイドで扱っており、ここではそちらに踏み込みません。応募を伴う企画の規約はキャンペーン応募規約の書き方のページ、投稿された写真や動画をキャンペーンの宣伝に使うときの権利の整理は応募作品・投稿の権利と利用許諾のページにあります。
ステマ規制の骨格:条文で確認できること
ステマ規制は、新しい別の法律ではなく、景品表示法の不当表示の規制の中に位置づけられています。条文で確認できる範囲を、次の表に整理します。
ステマ規制を読むための条文の整理
| 条文 | 定めていること | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 景品表示法5条3号 | 1号(優良誤認)・2号(有利誤認)のほか、商品または役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示で、内閣総理大臣が指定するものを禁止する。 | ステマは、この3号に基づく指定告示で規制される。指定告示は令和5年内閣府告示第19号(2023年10月1日施行)。文言は官報や消費者庁の公表資料の原文で確認する。 |
| 景品表示法7条 | 内閣総理大臣は、5条の規定に違反する行為があるときは、その行為の差止めや再発防止に必要な事項などを命じることができる(措置命令)。 | 違反の事実が既になくなっていても、命令ができる場合がある。表示を削除すれば足りるわけではない。 |
| 景品表示法8条 | 課徴金は、5条に違反する行為のうち、同条3号に該当する表示に係るものを除くものについて課される。 | ステマ(3号)は、課徴金の対象にならない。ただし、措置命令の対象にはなる。優良誤認・有利誤認(1号・2号)が重なる場合は、別に考える。 |
| 景品表示法46条 | 措置命令に違反したときは、違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金に処する。 | 措置命令に従わないことに対する罰則。表示の規制そのものではなく、命令違反に対するもの。 |
| 景品表示法22条 | 事業者は、景品類の提供や表示について、不当に顧客を誘引することのないよう、必要な体制の整備その他の措置を講じなければならない。 | 投稿を募る企画でも、表示の管理の体制と記録が問われる。措置の指針は内閣総理大臣が定めて公表する。 |
表の中で見落とされやすいのは、8条の課徴金の位置づけです。ステマが課徴金の対象にならないからといって、軽く考えてよいという意味ではありません。措置命令は、事業者名が公表されるなど、企業の信用に与える影響が大きい処分です。また、ステマとされた表示の中に、実際の商品の効果を実際より優れているように見せる内容や、価格を実際より有利に見せる内容が含まれていれば、1号・2号の優良誤認・有利誤認の問題が別に生じ、その場合は課徴金の対象になりえます(8条1項)。
そもそも「事業者の表示」といえるかどうかは、事業者が表示内容の決定に関与しているかで見る、という考え方が公表資料で示されています。事業者が自ら発信する場合のほか、事業者が第三者に依頼して発信させる場合や、第三者の自主的な発信であっても事業者が内容の決定に関与したと認められる場合が、対象に含まれます。反対に、第三者が、事業者から対価や特典を受け取らず、自らの意思で、自由な感想を発信している場合は、事業者の表示とは扱われない整理が示されています。境目は、個別の事情で判断されるため、運用基準やQ&Aの原文で確認する必要があります。
場面別に見る:特典と投稿の組み合わせで、表示が必要になるか
どの場面で表示が必要になるかを、具体的な企画の形ごとに整理します。表の「考え方」は、公表されている枠組みの一般的な整理であり、個別の企画への当てはめは、原文で確認してください。
特典と投稿の組み合わせ:表示の要否の考え方
| 企画の形 | 事業者の表示として扱われやすいか | 設計上の注意 |
|---|---|---|
| 商品を無償で提供して、感想の投稿をお願いする | 扱われやすい。無償提供は、投稿の対価と見られる。 | 「提供を受けた」旨など、広告であることを分かる形で投稿に表示してもらう。表示の方法を依頼時に伝える。 |
| モニター価格で販売し、その代わりに投稿してもらう | 扱われやすい。値引きと投稿が交換されている。 | 値引きの事実と投稿の関係が分かる表示を求める。投稿の内容・頻度・期間も契約で決める。 |
| 購入者全員に「投稿したらポイント」 | 扱われやすい。投稿に対する特典の付与。 | 特典の対象となる投稿であることが分かる表示を求める。好意的な内容を条件にしない。 |
| 指定のハッシュタグを付けて投稿した人から抽選で賞品 | 扱われうる。投稿が応募の条件で、賞品が対価に近い。 | 企画のハッシュタグと広告の表示の両方を求める。ハッシュタグが多数の中に埋もれないようにする。 |
| 投稿者に内容の例文や、必ず入れる語句を指定する | 扱われやすい。内容の決定への関与。 | 指定した内容が事実と合っているか、効果の表示が誇大でないかも、事業者の責任で確認する。 |
| 社員・家族・取引先に投稿をお願いする | 扱われうる。関係者であることが、見る人に分からない場合がある。 | 関係者であることを明示するか、投稿をお願いしない。 |
| 何も渡さず、使った人が自由に感想を投稿している | 扱われない整理。事業者の関与がない。 | 事業者がそれをリポストして広告に使うときは、その時点で事業者の表示になる点に注意する。 |
最後の行は、見落とされやすい論点です。もともとは第三者の自主的な感想であっても、事業者がそれをサイトや広告に転載したり、「お客様の声」として強調して掲載したりすれば、その掲載は事業者の表示になります。掲載する口コミを選別して好意的なものだけを並べる場合は、実際より商品が優れているかのような印象を与えないかという、優良誤認の観点が加わります。投稿された感想を宣伝に使う場合の権利の整理は、応募作品・投稿の権利と利用許諾のページを参照してください。
表示のしかた:何を、どこに、どう書くか
事業者の表示として扱われる投稿には、広告であることを明示する必要があります。明示のしかたについて、押さえておきたい点を整理します。公表資料の記載は変わりうるため、最新の原文で確認することが前提です。
広告であることの表示で、意識したい三つの点
文言
見る人が広告と分かる言葉か
- 「広告」「PR」「プロモーション」「提供」など、事業者の表示であることが分かる言葉を使う。
- 「ご提供いただきました」など、意味が曖昧になりうる言葉は、広告であることが十分に伝わるか注意する。
- プラットフォームが用意している広告表示の機能は、利用規約が変わることがあるため、最新の内容を確認する。
位置と大きさ
見落とされない場所にあるか
- 投稿の冒頭や、見る人が最初に目にする位置に置く。
- 多数のハッシュタグの中に紛れ込ませたり、「続きを読む」の先に隠したりしない。
- 背景に溶け込む色や小さな文字は避ける。
媒体ごとの工夫
動画・画像・ライブ配信ではどうするか
- 動画では、冒頭と、必要に応じて途中にも、音声や字幕で示す。
- 画像では、画像の中か、見やすい位置の文字で示す。
- ライブ配信では、配信の画面と概要欄の両方に示す。
表示の具体的な方法は、消費者庁が公表している運用基準やQ&Aに示されています。事業者として、表示の方法を依頼先にあらかじめ書面で伝えておくことが、実務の基本になります。
レビューの内容を指定・誘導する設計:自然な感想に見せかけない
口コミやレビューの投稿に特典を出す場合、設計の仕方で、規制上の問題の大きさが大きく変わります。同じ「投稿したらポイント」でも、次のような違いがあります。
レビュー投稿の特典の設計を見る入口の問い
特典の条件に、好意的な内容、高い評価、特定の語句の使用が含まれているか
はい事業者が内容の決定に関与している度合いが高く、事業者の表示としての性質が強まる。事実と合っているかの確認責任も事業者に及ぶ。条件の見直しを検討する。
いいえ内容に関する条件がなく、感想の有無を問わず投稿そのものを対象とするなら、関与の度合いは相対的に小さい。ただし、特典と引換えの投稿であること自体の表示は要る。
否定的な評価や苦情の投稿を、削除させたり、特典の対象から外したりしているか
はい好意的な感想だけが残り、実際より商品が優れているかのような印象を与える。優良誤認や有利誤認の問題にもなりうる。運用を見直す。
いいえ評価の高低にかかわらず投稿を受け付け、投稿の削除を求めない運用なら、見る人の判断を妨げにくい。
投稿の例文や、必ず入れる文言を事業者が用意しているか
はい事業者が表示内容を決めていることになる。内容の事実性と表示の適切さについて、事業者が責任を持つ。
いいえ事実だけを伝える最低限の案内(商品名の正確な表記など)にとどめる。
投稿のページに、特典と引換えの投稿であることが示されるか
はい見る人が広告と分かる。表示の位置と文言を確認する。
いいえ示されていないなら、投稿者に表示を依頼するか、特典の設計を見直す。
書き方の例(一般的な例) レビュー投稿特典の告知文と規約
投稿の条件
理由高評価を条件にすると、投稿が事業者の意図に沿った広告になる。内容に条件を付けない旨を明記する。
表示の依頼
理由ハッシュタグだけでは広告と分からない。広告と分かる言葉と位置を指定する。
削除の扱い
理由否定的な意見の削除を求める運用は、残った感想が実態より好意的に見える原因になる。削除の対象を限定する。
ここで取り上げたのは、規制の観点から見た設計のポイントです。投稿されたレビューが、実際の利用経験に基づかない内容(購入していない人の投稿、事業者の側で作成した投稿)である場合は、そもそも投稿の事実性が問題になります。実際の利用者の感想であることを確認できる投稿だけを、特典の対象にするのが基本です。
モニター価格と投稿協力の交換:契約に書いておくこと
モニター価格での販売や、サービスの割引と引換えに、利用者に投稿などの広告協力をしてもらう取り決めは、実務で広く見られます。投稿の内容、頻度、期間といった協力の中身が曖昧なまま始めると、「値引きしたのに、投稿が行われない」という事態になりやすく、事業者としては履行を促す手段に困ります。契約書や確認書に書いておくべき点を整理します。
確認の問いと理由モニター・投稿協力の取り決めで決めておく点と、その理由
投稿する媒体、種類、回数、開始の時期、終了の時期はいつか。
義務の内容が特定されていないと、履行したかどうかを客観的に判断できない。起算点と終了点、動画の長さなどの定義も書く。
投稿の内容に、守るべきことは何か(事実に反する内容、誹謗中傷、法令違反の禁止)。
事業者の表示として扱われうる以上、内容の適法性は事業者に跳ね返る。禁止する内容を具体的に挙げる。
広告であることの表示を、誰が、どのように行うか。
表示の方法を契約で決めておかないと、投稿者が表示を省いたときに事業者の責任が問われる。表示の文言と位置を指定する。
投稿前に事業者が内容を確認するか。確認するなら、その手順と期限は。
確認の機会がなければ、問題のある投稿を未然に止められない。確認の手順を決め、確認の記録を残す。
義務が履行されなかったとき、値引きの返還などをどう扱うか。
返還の額を、値引き相当額など合理的な範囲に収め、催告と改善の期限を置くなど、手続を決めておくと、実際に運用しやすい。
投稿された内容を、事業者が宣伝にどう使えるか。
投稿の再利用は、著作権や肖像の許諾が必要になる。許諾の範囲は、別途に決める。
規約の例モニター・投稿協力(確認書・規約の例)
- モニターは、当社がモニター価格で商品を提供することの対価として、本確認書に定める投稿(以下「協力投稿」といいます。)を、○○(媒体名)に、○か月以内に開始し、○回以上行います。
- モニターは、協力投稿に、当社から対価の提供を受けた投稿であることが分かるように、「PR」の文字を、投稿の冒頭の見やすい位置に表示します。動画の場合は、冒頭に音声または字幕でも示します。
- モニターは、協力投稿に、事実に反する内容、第三者の権利を侵害する内容、誹謗中傷、法令に違反する内容を含めてはなりません。当社は、協力投稿が公開される前に、内容を確認する機会を求めることができます。
- モニターが協力投稿を正当な理由なく行わず、当社が相当の期間を定めて催告してもなお行わないときは、当社は、モニター価格と通常価格の差額に相当する金額の返還を求めることができます。
- 当社は、協力投稿の内容が本確認書に反していると認めたときは、修正または削除を求めることができます。モニターは、正当な理由がない限り、これに応じます。
返還額を値引き相当額にとどめる書き方は、算定の根拠が示しやすい例です。民法420条は、当事者が債務不履行の損害賠償の額を予定できること、違約金は賠償額の予定と推定されることを定めています。金額の根拠が説明できない広い定めは、条項の有効性が争われる原因になるため、算定の根拠を別に整理しておきます。
確認書の条項で見落とされがちなのは、投稿者の「自由に感想を言える余地」と「広告としての管理」のバランスです。内容を細かく指定しすぎると、事業者の表示として、内容の事実性についての責任がより重くなります。一方で、内容をまったく確認しない運用では、問題のある投稿を止められません。事実に反する内容や、権利侵害を避けるための確認にとどめ、評価の高低や感想の中身そのものには立ち入らない、という線引きを、契約書の文言と運用の双方で一貫させます。
代行会社・インフルエンサー任せにした場合の責任と管理
キャンペーンの投稿を、代行会社や、インフルエンサーを仲介する会社に任せる場合でも、事業者としての責任は残ります。景品表示法の規制の名宛人は、自己の供給する商品または役務の取引について表示をする事業者であり、実際に投稿を作成・公開するのが第三者でも、事業者の表示と評価されうるためです。したがって、委託先に任せきりにせず、確認と記録の仕組みを持つことが重要になります。
委託して行う投稿企画での管理の流れ
- 依頼前投稿の目的、訴求の内容、使ってよい表現と使ってはならない表現、広告表示の方法を書面にまとめる。
- 契約委託先との契約に、表示の遵守、投稿前の確認、修正・削除の指示権、再委託の制限、記録の提供を書く。
- 投稿前内容が事実と合っているか、効果をうたっていないか、広告表示が入っているかを確認し、確認の記録を残す。
- 公開後投稿の状況を確認し、問題があれば速やかに修正・削除を求める。苦情や問合せの窓口を決める。
- 終了後投稿の記録、確認の記録、特典の付与の記録を、一定期間保管する。
景品表示法22条は、表示を適正に管理するために必要な体制の整備その他の措置を事業者に求めています。具体的な措置の内容は、内閣総理大臣が定めて公表する指針で確認してください。
委託の契約では、責任の分担をどう書くかが争点になりやすい点です。委託先が「投稿の内容は発注者が最終的に確認・承認したから、責任は発注者にある」とする一方、発注者は「専門の委託先が法令を守って投稿を作るはず」と期待している、という行き違いは、実務でよく見られる傾向です。法令の遵守を誰が確認するか、確認が参考情報にとどまるのか、投稿前に確認する義務があるのかを、契約書で具体的に書いておくことが必要です。委託の際の責任分担と再委託の扱いは、共催・事務局委託・プラットフォーム規約との関係のページで詳しく整理しています。
また、各SNSやプラットフォームには、広告の表示や、対価を受けた投稿に関する独自の規約・ガイドラインがあります。これらは変更されることがあり、条文のように一次確認できるものでもないため、投稿を依頼する前に、利用するプラットフォームの最新の規約を確認する必要があります。法律の遵守と、プラットフォームの規約の遵守は、別の問題として扱います。
起きがちなこと:口コミ・投稿の特典で行き違いが生じる場面
口コミ・投稿の特典で起きがちなこと
- 商品を無償で提供して投稿をお願いしたが、広告であることの表示を依頼せず、投稿が自然な感想に見える状態で公開される。
- 「5つ星で投稿した人に特典」という条件にして、高評価だけが集まり、実際より商品が優れているかのような印象を与える。
- 否定的な感想の削除を求める運用が常態化し、残った投稿が好意的なものに偏る。
- ハッシュタグ「#PR」を、数十個のハッシュタグの末尾に埋もれさせてしまい、見る人が広告と気づけない。
- 代行会社に投稿を任せたが、投稿前の確認の機会がなく、事実と異なる効能が書かれた投稿が公開される。
- モニター価格で販売したのに、投稿の媒体、回数、時期を決めておらず、投稿が行われなくても履行を促す根拠がない。
- 値引きの返還を求める違約金を、算定の根拠のない広い定めにしてしまい、いざ請求しようとすると条項の有効性が争われる。
- 投稿者の感想をサイトに転載して「お客様の声」にしたが、好意的なものだけを選び、実際の評価の分布と食い違う。
ステマに関する指摘を受けたときの流れ(措置命令、表示の削除と再発防止、記録の提出)は、トラブルになったとき・よくある質問のページで整理しています。紹介の特典を出す企画は友だち紹介キャンペーンのページ、ポイントを特典にする場合の規約はポイント還元・クーポンの規約のページにあります。
よくあるご質問
商品を無料で提供して感想を投稿してもらうとき、「PR」の表示は必要ですか。
無償提供は、投稿の対価と見られるため、事業者の表示として扱われる可能性が高く、一般消費者が広告と分かるように表示する必要があります。景品表示法5条3号に基づく令和5年内閣府告示第19号(2023年10月1日施行)が、事業者の表示であるのに一般消費者が判別することが困難な表示を規制しています。表示の文言と位置は、消費者庁の公表資料で確認し、依頼時に投稿者へ書面で伝えておくのが実務の基本です。
「投稿してくれた人にポイント」は、投稿の内容を指定しなければ問題ありませんか。
内容を指定しないことは、事業者の関与の度合いを下げる設計ですが、特典と引換えの投稿であること自体の表示は、なお必要となる場面があります。また、否定的な感想の削除を求めたり、高評価の投稿だけを集めて掲載したりすれば、実際より商品が優れているかのような印象を与える問題が別に生じます。特典の条件、表示の依頼、削除の扱いを、告知文と規約で揃えて設計します。
ステマは課徴金の対象になりますか。
ステマ規制は5条3号に基づくため、課徴金の対象にはなりません(8条1項)。ただし、措置命令(7条)の対象にはなります。表示の内容に実際より優れているかのような内容が含まれる場合は、1号・2号の問題として別に検討します。措置命令と課徴金の整理は、トラブルになったとき・よくある質問のページで解説しています。
インフルエンサーに投稿を任せた場合、投稿の内容の責任は誰にありますか。
投稿を作成し公開するのが第三者でも、事業者が対価を出して依頼し、内容に関与しているなら、事業者の表示として扱われうるため、事業者の責任が問題になります。委託先との契約で、法令の遵守の確認を誰が行うか、投稿前の確認の手順、修正・削除の指示権、記録の保管を具体的に決めておくことが、責任を分担する前提になります。
モニター価格で販売して投稿を約束してもらったのに、投稿が行われません。値引きを返してもらえますか。
契約書や確認書に、投稿の内容、期間、回数と、履行しなかった場合の返還の定めがあれば、それに基づいて請求できます。定めがない場合は難しくなります。返還の額は、値引き相当額など算定の根拠が説明できる範囲に収め、催告と改善の期限を置く手続を書いておくと、実際に運用しやすくなります。民法420条は、賠償額の予定ができること、違約金は賠償額の予定と推定されることを定めています。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の企画への当てはめは、景品類の提供の仕組みや表示の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や企画を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認できます。景品規制の告示や運用基準の数値は、消費者庁の公表資料の原文で確認してください。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会