応募作品・投稿の権利と利用許諾:主催者が使える範囲の決め方

応募された写真や動画を宣伝に使いたいとき、著作権は応募者に残り、主催者が使えるのは許諾された範囲だけです。媒体・期間・改変・再許諾を分けて決めます。

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背景の楽曲や写り込んだ人の権利は、応募者の保証だけでは解決せず、広告に使うのは主催者です。

このページの要点

  • 応募作品の著作権は応募者に残る。主催者は媒体・期間・地域・改変・再許諾を決めて許諾を得る(著作権法21条・23条・27条・28条)。
  • 著作者人格権は譲渡できない(59条)。不行使の定めと、許諾する改変の範囲を具体化する。
  • 第三者・楽曲・商標の写り込みは、応募者の保証に任せず、使う前に主催者側でも確認する。
  • 削除・取下げの窓口と、許諾の存続・停止の扱いを決める。撤回を一切認めない書き方は一方的と見られやすい。

結論:著作権は応募者に残り、主催者は「許諾された範囲」でしか使えない

写真コンテスト、ハッシュタグ投稿、レビュー募集、イラストや動画の応募といったキャンペーンでは、応募された作品を主催者が宣伝に使いたい場面がよくあります。ここで最初に確認しておきたいのは、応募されただけでは、作品の著作権が主催者に移るわけではないということです。著作権は、作品を創作した人(著作者)に原則として残り、主催者が作品を使えるのは、応募者から利用の許諾を得た範囲に限られます。

そのため、規約には、次の五つを分けて書きます。

  1. 誰の、どの作品について(対象)。
  2. 何を許諾するのか、どの媒体で、いつまで、どの地域で、改変や再許諾を含むか(利用許諾の範囲)。
  3. 著作者人格権(氏名表示や同一性保持など)をどう扱うか。
  4. 作品に写り込んだ第三者・商標・楽曲などの権利は誰が責任を負うか。
  5. 応募者が作品を削除・取下げたとき、許諾はどうなるか。

このページは、応募作品を受け取る主催者側の規約の書き方を中心に整理します。応募規約の全体の組み立ては応募規約の書き方のページ、個人情報は応募者の個人情報のページ、共催や事務局への委託と作品の扱いは共催・事務局委託のページで扱います。口コミ投稿に特典を付ける場合の表示の問題は口コミ・レビュー投稿の特典のページが扱います。

利用許諾の範囲を決める:媒体・期間・地域・改変・再許諾

著作権法は、著作者に、作品を複製する権利(21条)、公衆送信する権利(23条)、翻案する権利(27条)などを専有させています。したがって、主催者が応募作品を自社のサイトに載せる(複製・公衆送信)、トリミングや文字入れをする(翻案を含むことがあります)、広告バナーに使う、といった行為はいずれも、許諾が必要な利用に当たり得ます。さらに、二次的著作物(原作を翻案して作られた作品)については、原作の著作者も、その利用に関して二次的著作物の著作者と同じ種類の権利を専有します(28条)。応募作品を加工して作った広告素材を、第三者が利用する場合には、原作の応募者の権利も及び得るということです。

利用許諾の範囲を決めるときに確認する項目

項目決めること書き方で迷いやすい点
対象応募作品のうち、どの部分(作品の全体、写真の一部、キャプション)を許諾の対象にするか写真の本体のほか、添えた文章やハッシュタグも対象にするのか
利用の態様複製、公衆送信、展示、頒布、翻案など、どの利用を許諾するか「一切の方法で」と書くと広すぎる印象を与え、一方的と見られやすい
媒体自社サイト、公式SNS、広告バナー、店頭、印刷物、動画広告など将来使う媒体まで含めるか。「当社が運営する媒体」と書くか、個別に列挙するか
期間企画の期間中のみか、掲載後の一定の期間か、期間の定めなしか期間の定めがないと、応募者が自分の作品の利用がいつまで続くか分からない
地域日本国内のみか、海外からの閲覧も含む公開かインターネット上の公開は、実質的に国内外から閲覧できる
改変トリミング、色調補正、文字入れ、他の素材との合成を認めるか同一性保持権の問題と関わる。人格権の不行使の定めとセットで考える
再許諾広告代理店、共催者、事務局など第三者に使わせてよいか再許諾先の範囲が不明だと、作品がどこで使われるのか分からなくなる
対価許諾は無償か、賞品が対価か賞品を対価と見るか、応募の特典と見るかで説明が変わる

主催者の立場では、広い許諾を取っておきたいところですが、許諾が広すぎると、応募をためらう人が増えるだけでなく、規約を理解しないまま同意した人から後で異議が出る原因にもなります。応募の目的(賞品の抽選のために作品を見る)と、作品を宣伝に使う目的は別のものです。そこで、抽選・審査に必要な利用は全員から許諾を得て、宣伝に使うのは当選作品などに限り、改めて同意を取る、という二段階の設計が一つの選択肢になります。

許諾の設計の三つの型

型A:応募時に包括的に許諾

応募した時点で、宣伝利用まで許諾したものとする

  • 手続が最小限で済む
  • 許諾の範囲が広く、同意の実質が問われやすい
  • 範囲を媒体・期間で絞らないと一方的と見られやすい

型B:抽選・審査の利用だけ許諾し、宣伝利用は別途同意

応募時は審査に必要な範囲のみ。宣伝に使う作品は個別に連絡して同意を得る

  • 応募者の納得を得やすい
  • 同意を取る手間と、返信が来ない場合の扱いを決める必要がある
  • 当選作品の宣伝利用を計画的に進めやすい

型C:応募時に、選択式で許諾

「宣伝に使ってよい」の欄を任意のチェック項目にする

  • 応募者が選べる
  • 選ばなかった人の作品は宣伝に使えない
  • 選択の記録を保存する仕組みが必要

主催者が宣伝利用を重視するほど型Aに寄り、応募者の納得を重視するほど型Bまたは型Cに寄ります。どの型でも、許諾の範囲を媒体・期間で絞って書くと、条項の説得力が増します。

許諾を取ったあとは、許諾の記録を残します。応募時に同意した規約の版(掲載日と内容)、応募者ごとの同意の日時、宣伝に使う作品について個別に確認した日付と回答の内容、使った媒体と掲載期間の一覧です。許諾の範囲は、後から「どこまで認めたのか」が争われやすい事項で、記録がないと、主催者が許諾の範囲内で使っていることを説明できません。共催者や代理店に作品を渡す場合は、渡した作品の一覧と、再許諾の範囲を、あわせて記録します。

著作者人格権:不行使の定めはどこまで書けるか

著作者には、著作権(財産的な権利)とは別に、著作者人格権があります。公表権(18条)、氏名表示権(19条)、同一性保持権(20条)の三つが中心で、著作者人格権は著作者の一身に専属し、譲渡することができません(59条)。この「譲渡できない」という性質のため、規約で「応募作品の著作者人格権を主催者に譲渡する」と書いても、その部分は成り立ちません。実務では、人格権を主催者や主催者の許諾を受けた者に対して行使しない旨の定め(不行使特約)を置くのが通例です。

この不行使の定めを書くときは、次の点に注意します。

  • 氏名表示:作品を使うたびに著作者名を表示するのは、広告の紙面やバナーでは現実的でない場合があります。そこで「合理的な範囲で表示に努める」「表示しない場合がある」と書く例があります。なお、著作権法は、著作者の別段の意思表示がない限り、すでに著作者が表示しているところに従って著作者名を表示できる旨を定めています(19条2項)。応募者が作品にペンネームで署名していた場合などの扱いが、ここに関わります。
  • 同一性保持:トリミングや文字入れが想定される場合は、「必要な範囲で改変することがある」と許諾の範囲に含めたうえで、改変が応募者の名誉を傷つけるような態様(意図と異なる文脈での使用など)にならないように、使い方の指針を内部で決めておきます。
  • 公表:公表権は、まだ公表されていない作品について問題になります。応募作品がSNS上にすでに公開されているものか、未公開のものかで、扱いが変わります。応募の際に、未公開の作品を主催者に提出して選考を受ける企画では、公表の時期や範囲を主催者が決めることに同意してもらう定めを置きます。

書き方の例(一般的な例) 著作者人格権の書き方

不行使の定め

よくある書き方「応募作品の著作者人格権は、当社に譲渡されます。」
整えた書き方「応募者は、当社および当社から許諾を受けた者に対して、応募作品に関する著作者人格権を行使しないものとします。」

理由著作者人格権は譲渡できない(著作権法59条)。譲渡と書いても成り立たないので、不行使の形にする

氏名の表示

よくある書き方「作品の使用に際して氏名は表示しません。」
整えた書き方「当社は、応募作品を利用する際、媒体の性質上可能な範囲で、応募者が指定した名称を表示するよう努めます。表示が困難な場合は、表示しないことがあります。」

理由一律に表示しないと書くより、努力義務と例外を組み合わせると、応募者の納得を得やすい

改変

よくある書き方「当社は、応募作品を自由に改変できます。」
整えた書き方「当社は、応募作品について、トリミング、サイズの変更、色調の補正、文字・ロゴの追加その他、媒体への掲載に必要な範囲の改変を行うことがあります。ただし、応募者の名誉または声望を害する態様での改変は行いません。」

理由許諾する改変の種類を具体化し、人格的な利益を害する態様を除外すると、不行使の定めが一方的でなくなる

不行使の定めは、すべての利用について無制限に有効というわけではなく、著作者の意に反する利用によって人格的利益を害するような場面では、争われる余地が残ると考えておくのが安全です。規約に書くだけで安心せず、使い方の社内ルール(どの改変までは許諾の範囲か)を作っておくことが、実務上の防御になります。

作品に写り込む第三者・商標・楽曲:誰が責任を負うか

応募作品が、応募者ひとりの創作物とは限りません。写真に他人が写っている、動画の背景に楽曲が流れている、キャラクターのグッズが写り込んでいる、他人の文章を引用している、といった場合に、権利の整理が必要になります。

応募作品を宣伝に使う前の確認

  1. 作品に、応募者以外の人の顔や姿がはっきり写っていますか。

    はい写っている人の同意が得られているかを確認する。同意が確認できない作品は、宣伝利用の対象から外す

    いいえ次の確認へ進む

  2. 作品に、音楽、市販の映像、キャラクター、他人のイラストなどが含まれていますか。

    はいその権利者の許諾が必要になる場合がある。応募者が許諾を得ていると言えるか、確認できる資料があるか確かめ、不明なら使わない

    いいえ次の確認へ進む

  3. 作品に、ブランド名・ロゴなどの商標が目立つ形で写っていますか。

    はい他社の商標が、広告として目立つ形で使われると、他社の商品との関係が誤認されたり、他社の評判を利用すると受け取られたりするおそれがある。写り込みを避ける、または使わない

    いいえ次の確認へ進む

  4. 作品は、応募者が撮影・創作したものですか。

    はい応募者の作品であることを、応募時の保証として規約に定め、疑わしい場合は削除を求める手続を置く

    いいえ他人の作品の転載にあたる。権利者の許諾がない限り、使わない

写り込んだ第三者の権利は、著作権法だけで解決するものではありません。人の顔や姿をみだりに利用されない利益のように、個別の事情で判断される問題もあるため、疑わしい作品を宣伝に使わないことを基本にします。

規約では、応募者が、作品について自らが権利を有すること、第三者の権利を侵害していないこと、第三者が写っている場合はその同意を得ていることを保証する旨を定めます。ただし、保証の条項があるからといって、主催者が作品の利用に責任を負わなくなるわけではありません。主催者が実際に作品を広告に使った場合、権利者から主催者に直接の請求があり得ます。そのため、規約の保証条項は、主催者が応募者に責任を求める根拠にとどまることを理解したうえで、宣伝に使う前に主催者の側でも確認する流れにしておきます。

音楽については、特に注意が必要です。動画投稿サービスやSNSでは、サービスが音楽の権利者と包括的な契約を結んでいることがあり、そのサービスの上で楽曲を使うこと自体は許されていても、その動画を主催者が自社の広告に転用することまでは含まれていないことがあります。利用の範囲は、サービス側の規約と、主催者の利用の態様の両方で確認します。

応募者が削除・取下げをしたとき:許諾の存続と撤回

応募者が、自分の投稿を削除した、応募を取り下げた、アカウントを削除した、という場面は少なくありません。このとき、すでに主催者が広告に使っている作品の許諾がどうなるかを、規約で決めておかないと、広告素材の差替えが必要になるのか、そのまま使い続けてよいのかが不明確になります。

削除・取下げ時の扱いの選択肢

選択肢内容考えておく点
許諾は存続し、既存の利用は継続削除後も、すでに制作した素材の利用は許諾の範囲で続けられる応募者にとっては不利。期間や媒体で絞らないと、一方的と見られやすい
許諾は存続するが、新規の利用は停止削除の申出後は、新たな素材の制作・公開に使わないすでに公開した素材の取扱いを併記する。印刷物の回収は現実的でない
許諾は撤回できるが、一定期間の猶予削除の申出から一定の期間内に、掲載を終了する期間の長さと、印刷物・動画広告などの扱いを決める
許諾の撤回は、肖像などの人格的利益に関わる場合に限って認める作品に自分や家族が写っている場合のみ、早期の削除に応じる対象を限定した例外として置くと、全体の規定が一方的でなくなる

どの選択肢でも、削除の申出の窓口と、申出から対応までの目安を規約に書いておくと、応募者からの問合せに迅速に応えやすくなります。窓口は「連絡窓口」として規約の末尾にまとめるのが一般的です。作品の許諾は、個人情報の削除請求とは別の問題ですが、応募者にとっては同じ窓口に申し出る事柄です。個人情報の請求への対応は応募者の個人情報のページで扱います。

なお、許諾が「撤回できない」と書かれている規約は多く見られます。応募者が消費者の場合、権利の制限や義務の加重が、信義則に反して一方的に消費者の利益を害するとされる条項は無効になり得ます(消費者契約法10条)。許諾の期間を限り、撤回の方法を一定程度認める設計の方が、規約の有効性を確保しやすいといえます。

SNS上の投稿を再利用するとき:リポスト・埋め込みと、取り込んでの二次利用

ハッシュタグ応募では、応募された投稿は、すでにSNS上に公開されています。それを主催者が自社のサイトや広告で紹介するとき、利用の仕方によって、必要な手続が変わります。

SNS投稿の再利用の方法と、確認すべきこと

再利用の方法内容確認すべきこと
リポスト・引用(SNS上の機能の利用)SNSの標準機能で、投稿をそのまま共有する機能の利用範囲はサービスの規約が定める。主催者の側で新たに複製を作るわけではない
埋め込み(投稿の表示を自社サイトに組み込む)SNSが提供する埋め込みの仕組みで、自社サイト上に表示する投稿者が削除すれば表示も消える仕組みが一般的。仕組みごとの扱いはサービス側の説明で確認する
画像・動画を保存して自社の素材にする投稿の写真や動画を取り込み、広告やバナー、印刷物に使う複製(21条)・公衆送信(23条)・翻案(27条)に当たり得る。応募者の許諾を明確に取る必要がある
投稿の文章を抜粋して掲載する口コミや感想の一部を、広告に載せる引用の要件を満たすか、許諾が必要か。文脈を変えて載せると、投稿の趣旨を歪めるおそれがある

一般に、応募者のSNS投稿を広告素材として取り込む場合は、応募時の規約で許諾を得ておき、使う時点で個別に連絡して確認する運用が、権利の面でも関係の面でも安全です。連絡がつかなかった作品は使わない、と決めておくと、運用上の判断がぶれません。

条文例:応募作品の利用許諾に関する条項

規約の例応募作品の取扱い(一般的な書き方の例)

  1. 応募作品の著作権は、応募者に帰属します。ただし、応募者は、当社に対し、応募作品を、抽選・審査およびその結果の発表のために利用する権利を、無償で許諾するものとします。
  2. 当選した応募作品については、応募者は、当社に対し、当社が運営するウェブサイトおよび公式SNS、ならびに本キャンペーンの広告・告知物において、応募作品を複製し、公衆送信し、およびこれらに必要な範囲で改変して利用する権利を、無償かつ非独占で許諾するものとします。この許諾の期間は、当選の決定日から一定の期間とします。
  3. 当社は、前項の利用にあたり、媒体の性質上可能な範囲で、応募者が指定した名称を表示するよう努めます。表示が困難な場合は、表示しないことがあります。
  4. 応募者は、当社および当社から許諾を受けた者に対し、応募作品に関する著作者人格権を行使しません。ただし、当社は、応募者の名誉または声望を害する態様で応募作品を利用しません。
  5. 応募者は、応募作品について、自らが正当な権利を有していること、第三者の権利を侵害していないこと、および第三者が写っている場合はその同意を得ていることを保証します。
  6. 応募者が応募作品の削除または利用の停止を申し出た場合、当社は、申出を受けた日から合理的な期間内に、新たな制作物への利用を停止します。すでに制作・公開した広告物等への影響は、当社の定める連絡窓口を通じて、個別に協議します。

期間・範囲・媒体は、企画の内容に応じて具体的に記入します。許諾の期間や撤回の扱いを空欄のままにして公開しないように注意します。

確認の問いと、起きがちなこと

確認の問いと理由応募作品の宣伝利用を始める前に確かめたい点

  1. 許諾の範囲を、媒体・期間・改変・再許諾の各項目で説明できるか。

    範囲を説明できないまま包括的に許諾を取ると、後から一方的と見られやすい

  2. 宣伝に使う作品を、応募者に個別に確認する手順があるか。

    応募時の包括的な許諾だけに頼ると、SNSでの炎上や応募者の不信につながりやすい

  3. 第三者の写り込み・楽曲・商標のチェックの手順を決めているか。

    宣伝に使うのは主催者。応募者の保証を根拠に、確認を省略することは避ける

  4. 応募者が削除を申し出たときの窓口と対応期間を決めているか。

    申出に応じられる体制がないと、一方的な規約と受け取られる

  5. 共催者や代理店に作品を渡す場合、再許諾の範囲を規約で認めているか。

    再許諾が認められていないと、第三者が使うこと自体が許諾の範囲外になる

応募作品の利用で起きがちなこと

  • 応募時に「著作権は主催者に帰属する」と書き、著作者人格権や、応募者が第三者から借りた素材の権利との整合が取れなくなる。
  • 企画の終了後も、期間の定めがないまま、応募作品を自社のサイトに載せ続け、応募者から削除を求められる。
  • 応募写真の背景に他人の顔が写り込んでおり、同意を取らないまま広告バナーに使ってしまう。
  • 動画の背景音楽が許諾されておらず、動画サイトでは問題なく見られていたのに、広告に転用して指摘を受ける。
  • 共催者や代理店が、許諾の範囲を超えて、別の商品の広告に応募作品を使ってしまう。
  • ハッシュタグ応募の投稿を、個別の連絡なしに広告に使い、投稿者がSNSで不満を述べる。

よくあるご質問

キャンペーンの応募作品の著作権を、主催者のものにすることはできますか。

著作権(財産的な権利)は、契約で譲渡を受けることが法律上可能ですが、応募者の側から見て負担が大きく、応募そのものをためらわれる原因になります。さらに、著作権の譲渡を受けても、著作者人格権は譲渡できません(著作権法59条)。多くのキャンペーンでは、著作権は応募者に残し、宣伝に必要な範囲の利用を許諾してもらう形が取られます。翻案権などを譲渡の対象に含める場合は、権利の種類を具体的に書く必要があります。

「著作者人格権を行使しない」と書けば、作品を自由に改変してよいのでしょうか。

不行使の定めがあっても、応募者の名誉や声望を害するような態様の利用まで、無制限に認められるとは限りません。許諾する改変の種類(トリミング、サイズ変更、色調補正、文字入れなど)を具体化し、応募者の意に反するような使い方は避ける、という運用のルールを作っておくと安全です。

応募者がSNSの投稿を消した場合、すでに広告に使った素材も外す必要がありますか。

規約の定め方によります。許諾が存続すると書かれていれば、すでに制作した素材の利用は、許諾の範囲で続けられます。ただし、期間の定めがなく撤回もできない書き方は、応募者の利益を一方的に害するとされるおそれがあります(消費者契約法10条)。削除の申出を受けた場合は、新規の利用を止め、既存の素材は合理的な期間内に差し替えるといった運用を、規約に書いておくのが現実的です。

ハッシュタグ投稿を、リポストではなく、画像を保存して広告に使ってよいですか。

画像を保存して自社の素材にする行為は、複製(著作権法21条)に当たり、広告として公開すれば公衆送信(同法23条)にも当たり得ます。トリミングなどの加工を伴えば、翻案(同法27条)の問題にもなります。応募時の規約で許諾を得ていることに加え、使う作品ごとに、投稿者に個別に連絡して確認する運用をお勧めします。

応募作品に友人が写っている場合、応募者の保証だけで足りますか。

応募者の保証は、主催者が応募者に責任を求める根拠にはなりますが、写っている人から主催者に対して直接の請求があり得る点は変わりません。宣伝に使う作品については、主催者の側でも、写っている人が特定できるか、同意を得られているかを確認し、確認できない作品は使わないという判断基準を持っておくのが安全です。

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