このページの要点
- 紹介者と被紹介者の特典は、それぞれが景品類に当たるか、上限の範囲か、合算で大きくなっていないかを見る。条件は広告と規約で揃える。
- 紹介報酬は、成果の定義、料率、対象期間、不支給事由、明細と異議の手続を書く。成果の定義が不正登録の防止に直結する。
- 再販売や紹介をする人を特定利益で誘引し、特定負担を伴う取引をさせると連鎖販売取引(特商法33条)。紹介の多段階化と購入の負担の組み合わせに注意する。
- 友人の連絡先を入力させる設計は取得後の利用目的の通知が必要。紹介リンク方式にし、紹介者に被紹介者の氏名を知らせない設計が安全。
結論:友だち紹介は「景品」「報酬」「個人情報」「勧誘」の四つの論点が重なる企画。設計の段階で線を引く
友だち紹介キャンペーンは、既存の顧客や会員に新しい顧客を紹介してもらい、紹介した人と紹介された人の双方に特典を出す、費用対効果のよい販促として広く使われています。「友だちを紹介すると、紹介した人にも紹介された人にもポイントをプレゼント」といった形です。一見すると単純ですが、法律の観点からは、少なくとも四つの論点が同時に動いています。
- 景品規制:紹介した人と紹介された人の双方に特典を出す二重の特典は、それぞれが景品類に当たるか、当たるとして上限の範囲内かを確認する必要がある。
- 報酬の設計:紹介の成果に応じて金銭やポイントを払う場合、料率、対象期間、不支給事由、報告と異議の手続を、あらかじめ書いておかないと、支払いの段階で行き違いが起きる。
- 連鎖販売取引との関係:紹介された人がさらに別の人を紹介して報酬を得る仕組みで、購入や入会金などの負担を伴うと、特定商取引法33条の連鎖販売取引に当たるかの検討が必要になる。
- 個人情報:紹介する人が、友人の連絡先を事業者に渡す設計は、友人本人の同意と取得の経路で問題になる。紹介した人に、紹介された人の登録状況を知らせる設計も、個人データの提供の問題になる。
このページは、キャンペーンを運営する事業者の側から、紹介を使った販促の設計を整理します。代理店や営業担当に継続的に営業活動を任せる場合の規制は、販促企画ではなく営業の委託の問題で、別のガイドで扱っています。ここでは、一般の顧客や会員に特典を出して紹介を促す企画と、紹介の成果に応じて報酬を支払う仕組みに絞ります。特典として出すポイントの規約の書き方はポイント還元・クーポンの規約のページ、特典の上限の考え方は総付景品のページにあります。
紹介者と被紹介者の二重特典:景品類に当たるかの考え方
景品類に当たるかは、景品表示法2条3項の定義(顧客を誘引するための手段、取引への付随、経済上の利益)に当てはめて見ます。友だち紹介では、特典を受け取る人が二人いるため、それぞれを分けて見ます。
紹介企画の特典:誰への特典か、何に付随するか(考え方の整理)
| 特典を受け取る人 | 付随する取引 | 検討すること |
|---|---|---|
| 被紹介者(紹介を受けて入会・購入する人) | 被紹介者自身の入会や初回の購入 | 入会や購入に付随して提供する経済上の利益として、景品類に当たりうる。入会や購入の条件、特典の価額、取引価額に応じた上限を確認する。 |
| 紹介者(友だちを紹介した人) | 被紹介者の入会や購入が成立したこと | 紹介者自身の取引に付随する提供か、被紹介者の取引を条件とする提供かで整理が分かれる。紹介者に特典を出すことが景品類に当たるか、またその上限の捉え方は、運用基準・Q&Aの原文で確認する。 |
| 紹介者が事業者・業務としての紹介者の場合 | 事業者間の業務の対価 | 消費者向けの特典ではなく、業務の報酬の問題になる。報酬の設計として、次の節で整理する。 |
この整理で分かるのは、特典の「名前」ではなく、「誰が、どの取引に結びついて、何を受け取るのか」で見るということです。被紹介者への入会特典は、入会の取引に付随する典型的な提供で、景品類の定義に近づきます。紹介者への特典は、被紹介者の取引に結びついているため、景品類として整理されるか、それとも販売促進のための報酬として整理されるかの分かれ目になります。ここの具体的な当てはめは、消費者庁の運用基準やQ&Aの原文で確認する必要があり、条文だけで断定できる領域ではありません。
実務では、二つの特典を足し合わせたとき、一つの新規顧客の獲得に対して事業者が提供する利益が、全体として大きくなっていないかを確認します。紹介者への特典と被紹介者への特典が、それぞれ上限の範囲内でも、合わせると取引価額に比べて大きな提供になる場合は、設計を見直す理由になります。また、「初回の購入が一定額以上」などの条件を付けるなら、その金額が取引価額の基準になるため、特典の額との関係を企画書に残しておきます。景品類に当たるかどうかの判定の流れは、景品類に当たるかの判定のページで整理しています。
もう一つ、表示の問題があります。「紹介するだけで、全員に○ポイント進呈」と広告しながら、実際には被紹介者が初回の購入を済ませないと付与されない、付与に上限がある、という場合は、取引条件を実際より有利に見せる表示となるおそれがあります(景品表示法5条2号)。条件は、広告の見やすい位置に、規約と同じ内容で書く必要があります。
紹介報酬の設計:料率・対象期間・不支給事由・報告と異議
紹介の成果に応じて、金銭や換金可能な報酬を支払う仕組み(紹介報酬、アフィリエイトの報酬、アンバサダーの報酬など)は、個人の顧客に出す特典とは違い、紹介する側が業務として行う場合の対価の問題になります。支払う側からすれば、成果の定義、支払う金額の計算、支払う条件、支払いを止める条件を決め、紹介する側にあらかじめ示しておくことが、後の紛争を防ぎます。実務では、次のような点が争いの原因になりがちです。
確認の問いと理由紹介報酬の設計で、決めておく点と、その理由
成果とは何か。登録か、初回の購入か、一定期間の継続か。
成果の定義が曖昧だと、紹介者が成果だと考えるものと、事業者が成果だと考えるものがずれる。成果の確定の時点まで書く。
報酬の料率または金額は、何を基準に計算するか。
対象となる売上の範囲(返品・キャンセル・未入金を除くか)や、報酬の算定の基礎とする金額が消費税を含むのかが曖昧だと、金額で争いになる。基準を明記する。
報酬の対象期間は、いつからいつまでか。
一度の紹介で、その後の取引についても報酬を払い続けるのか、一定期間に限るのかで、事業者の負担が変わる。期間を決めて書く。
報酬を払わない場合(不支給事由)は何か。
虚偽の登録、紹介者と被紹介者が同一の事業主体、登録の取消しなどを具体的に書いておけば、支払いを止める根拠になる。
報酬の算定の根拠を、紹介者にどう報告するか。
月次の明細を示す、異議を申し出る期間を決めるなどの手続があれば、算定への納得を得やすい。
契約が終了した後も、報酬は支払うか。
終了後の取引にも報酬を払うのか、終了時点までの成果に限るのかは、事業者の負担と紹介者の期待の両方に関わる。
これらの点は、単に紹介者との合意のために必要というだけでなく、報酬の金額や支払条件が、他の取引条件と整合し、説明できるものであることにもつながります。たとえば、報酬の料率が、紹介者に特定の商品の購入を求める負担と結びついていると、のちの節で触れる連鎖販売取引の検討が必要になることがあります。また、報酬の対象が、紹介した相手の取引全体に及ぶ場合は、相手方の取引の状況について、どこまで紹介者に情報を開示するかという個人情報や秘密保持の問題も出てきます。
規約の例紹介報酬(規約・契約書の例)
- 当社は、紹介者が紹介した新規利用者(以下「被紹介者」といいます。)が、当社所定の方法で利用登録を完了し、かつ、当社が定める対象サービスの初回の代金を支払ったときに、紹介者に対して、当該代金(報酬の算定の基礎に消費税を含むかどうかは○○とします。)の○%に相当する紹介報酬を支払います。
- 紹介報酬の対象は、被紹介者が利用登録を完了した日から○か月以内に発生した取引に限ります。ただし、返品、キャンセル、返金または未入金となった取引は、対象から除きます。
- 次の各号のいずれかに該当する場合は、当社は、紹介報酬を支払いません。すでに支払った紹介報酬は、返還を求めることがあります。(1)紹介者と被紹介者が、同一の人または同一の事業主体であると当社が合理的に判断したとき。(2)被紹介者が虚偽の情報で登録したとき。(3)被紹介者の登録を、当社が取り消し、または却下したとき。(4)その他、本規約に違反して紹介が行われたとき。
- 当社は、毎月末日を基準日として紹介報酬を計算し、翌月末日までに、紹介者が指定する口座に振り込む方法で支払います。当社は、紹介者に対し、算定の対象となった取引の内容、発生日、金額を記載した明細を、基準日の翌月に提供します。
- 紹介者は、明細の内容に異議があるときは、明細の提供を受けた日から○営業日以内に、当社に申し出ます。当社は、申出を受けたときは、算定の根拠を説明し、協議して解決を図ります。
料率・期間・日数はすべて伏せた例です。実際の数値は、取引の実態と整合するように決めてください。成果の定義を「登録」とするか「初回の支払い」とするかで、不正登録の防止の効果が大きく変わります。
連鎖販売取引の入口:紹介の連鎖と負担がそろったとき
友だち紹介が、特定商取引法の連鎖販売取引に当たるかどうかは、仕組みの全体を見て判断されます。特定商取引法33条1項は、連鎖販売業を、物品の販売(またはそのあっせん)や有償で行う役務の提供(またはそのあっせん)の事業であって、商品の再販売、受託販売もしくは販売のあっせんをする者、または同種役務の提供もしくはそのあっせんをする者を、特定利益を収受し得ることをもって誘引し、その者と特定負担を伴う取引をするものと定めています。条文は長いので、要素に分けて見ます。
連鎖販売取引の要素(33条の読み方)
誘引される人
再販売・販売のあっせんなどをする人
- 商品を自分で使うだけの人ではなく、他の人に商品を売る、売る手伝いをする、役務の提供のあっせんをする立場の人が対象。
- 紹介された人が、さらに他の人を紹介する立場にもなる仕組みかを見る。
特定利益
他の人の取引から得られる利益
- 再販売やあっせんをする他の者が提供する取引料などの利益の全部または一部を受け取れること(33条1項)。
- 紹介の報酬が、紹介した相手の購入や、その相手がさらに紹介した人の購入に連動する設計かを見る。
特定負担
商品の購入や取引料の提供
- 商品の購入、役務の対価の支払い、取引料(加盟料、保証金など名義を問わない)の提供をいう(33条1項・3項)。
- 紹介者になるために商品の購入や入会金が必要な設計かを見る。
その他
規制の内容
- 連鎖販売業には、勧誘の際の不実告知の禁止(34条)や、誇大広告等の禁止(36条)などの規制がある。
- 該当する場合は、書面の交付や解除の手続など、特定商取引法の規定を原文で確認する必要がある。
上の整理は、条文の要素を並べたものです。個別の仕組みが連鎖販売取引に当たるかは、所管官庁の公表資料と条文の原文で確認が必要です。
この要素を、友だち紹介に当てはめるとどうなるでしょうか。紹介された人が、単に商品やサービスの利用者として購入するだけで、自らも商品を販売したり、他の人を紹介して報酬を受け取ったりする立場ではないなら、通常の販促の範囲にとどまる場合が多いと考えられます。他方で、紹介された人が自分も紹介者になって、さらにその紹介先の購入に連動する報酬を受け取れる(いわゆる紹介の多段階化)、そのうえ紹介者になるには商品の購入や入会金が必要、という組み合わせになると、連鎖販売取引の要素にそろって近づきます。
設計の段階でできる確認は、次のようなものです。報酬の仕組みは一段階にとどめているか。報酬の源は、被紹介者が購入する通常の商品の代金であって、紹介者になるための費用ではないか。紹介者になるために購入や入会金などの負担を求めていないか。広告で「簡単に稼げる」「必ず報酬が得られる」といった表現をしていないか(36条の誇大広告等の禁止、34条の不実告知の禁止の問題になりうる)。これらが一つでも該当するなら、仕組みの全体を条文と所管官庁の資料で確認し直すことが必要です。
被紹介者の個人情報:取得の経路と、紹介者に知らせる範囲
友だち紹介では、紹介された人(被紹介者)の個人情報が、紹介者を経由して事業者に渡る場面があります。個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)は、個人情報取扱事業者に、利用目的をできる限り特定すること(17条1項)、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱わないこと(18条1項)、個人情報を取得した場合の利用目的の通知または公表(21条1項)、本人から書面で直接個人情報を取得する場合の利用目的の明示(21条2項)、個人データを本人の同意なく第三者に提供しないこと(27条1項)などを求めています。
紹介の設計で個人情報の問題が出る二つの場面
友人の連絡先を、紹介者が入力する設計
紹介者が、友人の氏名・電話番号・メールを事業者の画面に入力する
- 友人本人は、自分の情報が事業者に渡ることを知らない場合がある。本人からの直接の取得でないため、取得後に速やかに利用目的を通知または公表する必要がある(21条1項)。
- 利用目的を紹介の案内だけに限り、それ以外の営業に使わない設計にするかを決める。
- 友人が連絡を望まない場合の対応(削除の求め)を決める。
紹介リンク・紹介コードを共有する設計
紹介者が自分の判断で、友人にリンクやコードを送る
- 友人が自分の意思で登録するため、事業者が友人の情報を取得するのは本人からの直接の取得になり、利用目的を明示すれば足りる(21条2項)。
- 紹介者には、友人の個人情報は渡らない設計にできる。
- 紹介コードの利用状況を、紹介者に知らせる範囲を決める。
一般に、友人の連絡先を事業者が受け取る設計より、紹介リンクやコードを使う設計のほうが、個人情報の取得の問題が小さくなります。
もう一つの論点は、紹介者に被紹介者の登録状況や購入の有無を知らせる場合です。「○○さんがあなたの紹介で登録しました」と氏名を通知する設計は、被紹介者の個人データを紹介者に提供することになり、あらかじめ本人の同意を得ない第三者提供の問題になりえます(27条1項)。紹介の成立と特典の付与だけを知らせ、被紹介者の氏名などは知らせない設計にするか、被紹介者が登録時に、紹介者に通知されることに同意する画面を置くかを、決めておく必要があります。
規約とプライバシーポリシーの関係でも、整合させる点があります。紹介企画の規約に「被紹介者の情報を紹介者に通知することがあります」と書いたのに、プライバシーポリシーの利用目的にも第三者提供の説明にも載っていない、という食い違いは起きやすい類型です。取得する情報、利用目的、提供先を、紹介の流れに沿って整理し、規約、登録画面の説明、プライバシーポリシーに同じ内容で書きます。応募者の個人情報の取扱い全般は応募者の個人情報の取扱いのページで扱っています。
自己紹介・不正登録の禁止と取消し:規約の書き方
紹介企画の不正の典型は、自己紹介です。自分で別のアカウントを作り、自分を紹介者として登録して、特典を二重に取得する。家族や知人に頼んで、実際には利用する意思のない登録をしてもらう。紹介コードを掲示板やSNSで大量に拡散して、実質的に誰でも特典を得られる状態にする。こうした行為への対策は、技術的な対策と規約の両方で行います。
書き方の例(一般的な例) 紹介企画の規約の主な条項
自己紹介
理由「不正」だけでは、何が不正か利用者に分からない。典型的な行為を具体的に書く。
特典の取消し
理由取消しの範囲(紹介者と被紹介者の双方か)、返還の有無、理由の通知を揃えて書く。
紹介コードの拡散
理由拡散を許すと、実質的に誰でも特典を得られる状態になり、企画の想定する額を大きく超える。
取消しの条項では、疑わしいだけで特典を取り消す、という運用にならないよう、手続の定めが重要です。取り消す前に、利用者に事情を確認する機会を設けるのか、疑いが濃いときは一時的に特典の付与を保留するのか。取消しの結果に異議があるときの申出の窓口はどこか。こうした手続を規約に置いておけば、運用の際に一貫した対応ができ、利用者からの苦情にも説明がつきます。ポイントの取消しの書き方はポイント還元・クーポンの規約のページにも例があります。
企画の流れ:設計から精算までの確認点
友だち紹介キャンペーンは、設計、告知、運用、精算の流れで進みます。それぞれの段階で、何を確認するかを整理します。
友だち紹介キャンペーンの流れと確認点
- 設計特典の相手と額、報酬の有無、紹介の段数、個人情報の流れを決め、景品の上限と連鎖販売の要素を確認する。
- 規約特典の条件、不支給事由、自己紹介の禁止、取消し、個人情報の取扱いを規約にそろえる。
- 告知特典の条件と上限を、広告に見やすく書く。「簡単に稼げる」などの表現を避ける。
- 運用紹介の状況と不正の兆候を記録し、取消しの手続を一貫して運用する。
- 精算報酬の明細を示し、異議の申出に対応する。個人情報の保存期間を過ぎたものを消去する。
起きがちなこと:紹介企画で見落とされやすい点
友だち紹介キャンペーンで起きがちなこと
- 紹介者と被紹介者の双方に特典を出しているのに、それぞれの上限を確認しておらず、合計で大きな提供になっている。
- 「紹介するだけで特典」と広告しているが、実際には被紹介者の初回購入や審査が条件で、広告と規約が食い違う。
- 紹介報酬の成果の定義が登録のみとなっており、実際には利用する意思のない登録が大量に行われる。
- 紹介された人も紹介者になって報酬を受け取れる設計に、紹介者になるための購入を組み合わせてしまい、連鎖販売取引との関係の検討が漏れる。
- 友人の連絡先を紹介者に入力させる設計にしたため、友人本人への利用目的の通知や、削除の求めへの対応が整っていない。
- 「○○さんがあなたの紹介で登録しました」と氏名を通知する機能を作り、被紹介者の同意の取得や、プライバシーポリシーへの記載が漏れる。
- 不正の疑いで特典を取り消したが、理由の通知や異議の窓口がなく、利用者との間でトラブルになる。
紹介と同じく、投稿者に特典を出して口コミや感想の投稿を促す企画は、広告であることの表示が問題になります。この点は口コミ・レビュー投稿の特典とステルスマーケティング規制のページで扱っています。応募を伴う企画の規約はキャンペーン応募規約の書き方のページ、指摘を受けたときの流れはトラブルになったとき・よくある質問のページをご覧ください。
よくあるご質問
友だち紹介で、紹介した人と紹介された人の両方に特典を出すことは、景品表示法上、問題ですか。
特典を出すこと自体が直ちに問題になるわけではありませんが、それぞれが景品類に当たるか、当たるとして告示で定める上限の範囲内かを確認する必要があります。被紹介者への入会特典は、入会の取引に付随する提供の典型です。紹介者への特典の扱いは、運用基準・Q&Aの原文で確認が必要です。二つの特典を足したときの全体の大きさも、設計の段階で見ておくと安全です。
紹介者に報酬を払う場合、規約には何を書けばよいですか。
成果の定義(登録か、初回の支払いか)、報酬の料率または金額、算定の基準となる売上の範囲、対象期間、不支給事由、支払いの時期と方法、算定の明細の提供、異議の申出の手続を書くのが基本です。数値は取引の実態に合わせて決めます。不支給事由には、紹介者と被紹介者が同一の主体である場合や、虚偽の登録の場合を具体的に挙げます。
紹介された人がさらに別の人を紹介できる仕組みは、連鎖販売取引になりますか。
直ちにそうなるとは限りません。特定商取引法33条1項は、再販売や販売のあっせんなどをする者を、特定利益を収受し得ることをもって誘引し、その者と特定負担を伴う取引をするものを連鎖販売業としています。紹介の多段階化に、商品の購入や入会金などの負担が結びつくと、要素がそろってきます。仕組みの全体を条文と所管官庁の公表資料で確認する必要があります。
友人の連絡先を紹介者に入力してもらう設計は、個人情報保護法上、問題ありませんか。
友人本人からの直接の取得ではないため、取得した後に速やかに利用目的を本人に通知または公表する必要があります(個人情報保護法21条1項)。利用目的を紹介の案内に限る、削除の求めに応じる窓口を用意するなどの配慮が要ります。紹介リンクやコードを紹介者が共有する設計のほうが、友人自身が登録するため、取得の問題が小さくなります。
不正な自己紹介があったとき、特典を取り消せますか。
規約に、自己紹介の禁止、取消しの事由、返還の求め、理由の通知を具体的に書いておけば、取消しの根拠になります。「不正があったとき」とだけ書く規約は、何が不正か分からず、運用が恣意的と読まれやすくなります。取り消す前に事情を確認する機会を設けるなど、手続も定めておくと、苦情にも説明がつきます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の企画への当てはめは、景品類の提供の仕組みや表示の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や企画を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認できます。景品規制の告示や運用基準の数値は、消費者庁の公表資料の原文で確認してください。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会